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起業家・宮脇敬治・宮脇鋼管社長

商いは楽しむ心なり 〜常識破る鋼管加工サービスの躍進〜

9. 飛躍、但馬ドームへの挑戦

 1級管の販売量が発生管の販売量を上回るようになると、それまでの寸法切りだけではなく、斜め切りや姿切りといった特殊な切断加工を要する注文が増え始めた。宮脇はすかさずパイプコースターを次々に導入。特殊加工の分野に進出する。そして、あらゆるパイプを加工する確かな技術と需要家を待たせないサービス力を武器に、宮脇鋼管は年商30億円を突破する企業へと成長する。

 そんな折、大手重工メーカーから一大プロジェクトの発注が宮脇鋼管に舞い込む。兵庫県に建設される但馬ドームの鉄骨工事物件である。

 但馬ドームは天井のドーム部分にかかる重量を軽くするため、プリズムトラスと呼ばれる鉄骨工法を採用していた。丸パイプの構造物を三角形に組み上げながら建設するこの工法では、特殊な加工技術と高度な図面解析力が要求される。それらの技術条件を満たし、しかも低コストでできる会社は日本全国を見渡してもそれほど多くない。

 1997年、宮脇鋼管にその難工事物件の白羽の矢が立った。
 総数量2000個もの加工注文が本格発注になると、本社工場は瞬く間に忙しくなった。何本ものパイプが交差する重複管の切断加工や、パイプを半円に切断する半円接合切断など、発注内容は高度な技術を誇る宮脇鋼管にとってもかなり難しいものだった。何より納期が短く、さらに数回にわたる細かな設計変更が宮脇の頭を悩ました。宮脇は夜遅くまで残業する社員を励まし、納期が厳しいと見るや新たに加工機械を増設してプロジェクトに対応した。

 しかし、高い精度が要求されるこの大型プロジェクトの受注は、宮脇鋼管に大きな成果をもたらしもした。大量の特殊切断加工を短い納期で間に合わせることで、それまで職人の手作業によることが多かった加工ラインは完全自動化を実現。加工コストを大幅に削減し、さらに工場の24時間稼動体制を確立するきっかけとなっていくのである。

 当初、納期に間に合わせるのが難しいと見られていたこのプロジェクトは、現場作業員のさまざまなアイデアと工夫によって難局を切り抜け、1年後に完納。納期を遅らすことなく、やり遂げたのである。
 「ようやってくれた」。
 発注先である大手重工メーカーの担当者も宮脇に涙ながらに感謝の言葉を述べた。  この時、宮脇は創業間もない頃に始めた切断加工の商売が40年の時を経て、今、従業員の手によって大きな飛躍を遂げたと実感した。

 但馬ドームの経験により、宮脇鋼管は0・5ミリという超精密な切断技術を獲得。技術力を向上させ、さらに照明柱の制作や高度溶接加工など新規分野にも進出していくのである。

 
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