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企業家・大内邦春・株式会社オーエムエムジー代表取締役社長
 

2. 理念に生きる現実主義者―大内豊春

 一部上場企業の役員を務め、定年後に結婚情報サービス会社・ OMMG を創業した大内豊春。その誠実で固い信念に貫かれた人柄は、顧問に就いて一線を退いた今も、接する者を惹きつけてやまない。企業の社会的貢献に重きを置き、社内では公私のケジメをつける。何より社員のみならず、接するいかなる人に対しても礼節を重んじた。

 こんなエピソードがある。

 企業社会では通例のお中元・お歳暮の時期、大内は必ず「受付で丁寧にお礼を言って、お気持ちだけを頂きなさい」と社員に指示した。例えば、広告がビジネスの命脈である OMMG の場合、広告会社との取引は月間数億円規模にのぼる。当然、取引先は日頃のお礼の気持ちを形にしようとする。しかし、大内は、「贈答」や「日が暮れてからのお付き合い」を厳しく戒めた。「取引先が気を使うような関係になると、いい仕事ができなくなる」というのが大内の考えだった。

女性スタッフに囲まれた大内豊春

 そして、取引先に対しては、「こちらが仕事を発注しても、私たちができないことをやってもらっているのだから、大事なお客様。どんな時でも、頭を低く、相手には上座に座ってもらいなさい」と話し、同時に常に複数の取引先を持って、お互いに緊張関係を保ちながら仕事をするよう、説いた。

 大内は、道理を外さず、常に理念を求めながらも、企業家として現実主義者の側面も持ち合わせていた。

 長年、大内を影で支えてきた田中龍郎常務は、こう話す。

 「ある時、 A か B かという重要案件の判断を仰いだ時がありました。初め、顧問は A と言われたのですが、 20 分後には東京駅のホームから電話があって、やはり B で行こうと仰る。その時は、最終判断を週明けに保留したのですが、週明けには A の判断となった。後日、そのことで『あの時、迷ってらしゃいましたね』と言うと、顧問は『深く考えれば考えるほど、どちらの判断も正しいことがわかる。迷うのは、当たり前。大事なのは、熟考して物事を決めることだ』と仰られていました。企業家というのは、理念だけで簡単に物事を決めているわけではないと思いましたね」。

 そうした一つの考え方や思考だけでは割り切れない、大内の多面性もまた人間としての大きな魅力である。
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