商いは楽しむ心なり 〜常識破る鋼管加工サービスの躍進〜
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鉄鋼変革期の風雲児
熾烈な販売競争と企業同士の合従連衡が繰り広げられる鉄鋼業界。この生存競争が激しい成熟産業で、確かな技術力と小回りのきくサービス力で注目を集めている企業がある。建築材などに使用されるパイプを1mから12mまでどんな長さにでも切断し、斜め切りや姿切りなどあらゆる加工ニーズにも対応。注文は1本から受付け、近畿圏なら必ず翌日までに届ける…。こんな業界の常識を覆すようなサービスを提供して、多くのユーザーの信頼を勝ち取っているのが宮脇鋼管社長、宮脇敬治である。
同社は鉄鋼不況が長引く中、年々販売量を伸ばし、業界では市場価格を左右するプライスリーダーとの呼び声も高い。2002年には本社工場に隣接する約2700坪の土地に、鋼管加工のノウハウを結集した最新鋭のモデル工場を建設。その規模のみならず、高い生産性を追求した工場の完成により、宮脇は閉塞する鉄鋼流通業界に「鋼管受託加工サービス業」という新たなビジネスをも打ち立てる。
「どんなサービスでも提供できる商売は異種格闘技以上に自由な闘いの場」。そう言う宮脇は、価格競争からサービス競争へと移る鉄鋼変革期に頭角を現した業界の風雲児である。
45年前、1軒のバラック小屋から鉄屑を集めながら商売を始めた宮脇。その後、一代で押しも押されぬ成長企業を築き上げた半生とは、どのようなものだったのか。
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