2. 下宿闘争同盟
下宿闘争同盟とは、西が大学時代に作った団体の呼び名である。 固い名前だが、実はただ下宿仲間8名でつくったイベントサークルだ。このネーミングは、西の遊び心だった。
月に会費200円を集め、パーティや宴会などのイベントを繰り返していた。しかし、会費200円では、予算が全然足りなかった。
そこで西は、小学校の時のように、また商売を思いつく。それも今度は、下宿闘争同盟あげての活動だ。
ちょうどオイルショックのころで、西の下宿では、大家がみんなの部屋から出る古新聞を集めていた。西は、大家に頼み込んで、それを自分達で集めて古新聞屋に売り出し、お金にした。
また、下宿の友人と沖永良部島へ遊びに行き、貝殻をいっぱい拾ってきた。関西に帰って貝殻に穴を空け鎖を通し、大学祭で首飾りとして売ったりもしていた。
また、下宿では麻雀が流行っていた。西の友人がいっぱい遊びにきて、さながら雀荘のようであった。そこで西は、スコールというジュースを、一気に90ケースも買い込んで売ることにした。
普通にスコールを買えば45円である。実は、西が買い込んだ時は、35円で市販されていた。そのすぐ後に、45円に値上がりしたのだ。市販と同じ45円で売ったが、それで10円の利益が出た。そして稼いだお金を、また宴会やパーティーにつぎ込んだ。
どう儲けるかを考えるのはもちろんだが、それよりも商売を楽しむ。この遊び心が、創業期、小さなオフィスに学生たちを呼び込む力となったのかもしれない。
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