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企業家・若林克彦・ハードロック工業株式会社代表取締役社長

“安全”を開発せよ! 〜世界初、夢のナット開発に賭ける〜

8.世界に翔ける

 平成の世に入ると、ハードロック工業は本社および本社工場を移転。陣容と生産体制の拡大を図る。同時に、バブル経済の真っ只中で営業力に不足を感じていた若林は、テレビや新聞などのメディアを通じた大々的な広告戦略を開始。人件費を極力抑えて、より広いマーケットに「ハードロックナット」を PR する戦略を実施するようになる。

 そして、バブル崩壊以降、日本経済が大競争時代に突入すると、ハードロック工業の名は各方面のメディアで頻繁に取り上げられるようになる。東大阪にある小さな町工場が世界一のナットを開発・生産し、オンリーワン企業として成長する姿が、日本経済の新しい時代の一つのロールモデルとして受け止められたのだ。大手新聞社が主宰する優秀経営者顕彰式では「研究開発賞」を受賞し、平成 15 年には業界初のグッドデザイン商品にも選定。同年に開催された社団法人中小企業研究センター主催の中小企業研究センター賞では、「特別奨励賞」を受賞するなど、若林が 30 年に渡って心血を注いできた「ハードロックナット」という種は、大地にしっかりと根を張る大樹となって、彼の眼前に姿を現したようだった。

 今や、ハードロックナットは、日本国内にとどまらず、世界の安全を重視する大手企業にも注目されるようになっていた。海外での活躍は、イギリスの国鉄レールのポイント部分に採用されたのを皮切りに、韓国の鉄道でも採用。平成 15 年には、台湾の新幹線開通事業である「台湾高速鉄道」のビッグプロジェクトにも参画。レールの締結装置部分に、実に400万個ものハードロックナットが採用された。また、イギリス国鉄やオーストラリアのクイーンランド州鉄道より正式な認証取得も得て、本格的な海外企業へのアプローチ体制も整い始めている。

 もちろん発明・開発の“ムシ”である若林は、この間、開発の手を休めていたわけではない。主力商品である HL 、 HLB に加え、ユーザーの軽量化志向に合わせたシングルタイプの「スペースロックナット」( SLN )や「スペースロックベアリングナット」( SLB )、さらには主として建築用に使用される「ハードロックセットスクリュー」(HLS)や「ハードロックピンロックボルト」( HL-P )など、各産業界のニーズに応えた応用類似商品を次々に市場に投入。こうした緩み止めナットのバリエーション拡大が、またハードロックナットの営業促進につながり、盤石な企業基盤の構築にも貢献しているのである。

商品のバリエーション拡大が、企業経営の安定にもつながる

 若林は、言う。

 「手を替え、品を替えして、あらゆる手を尽くしてチャレンジしてきた。その中には、失敗もあれば、成功もあったが、緩みナットの可能性はまだまだこれから。ハードロックナットの海外での採用は、これからが勝負だし、他の商品も本格的に売り出すのはこれから」。

  若林の好奇心と企業の成長を追い求める野心は、まだまだ衰えない。現在、売上高 10 億円の規模にまで成長したハードロック工業は、今年も大幅に売り上げを伸ばし、売上高 12 億円を見込む。そして、5年後には、売上高 20 億円の目標を掲げる。
   
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