2. 柔軟な発想は、リラックスできる一人の時間から
大学3回生の時、電撃的に社長に就任して企業家の道を歩み始めた多田精一も、企業家としてのキャリアは今年で 15 年になる。多忙な毎日を送る一方、日々の健康管理も怠っていない。学生時代はサッカーや野球、スキーなどのスポーツに精を出し、もともと体を動かすのが好きな性分だけに、今も近くの河川敷などで、週3日のペースでジョギングをしている。
「健康管理というほどのものでもないのですが、仕事はデスクの前で座っていることが多いので、汗をかいて新陳代謝を良くする程度の運動を心がけています」という。
|
「小さな発想の種が、新しいサービスを生む」と多田精一 |
日々の仕事を離れ、ひとり汗を流すと心身がリラックススして、時には会社経営に関する案件に思いを巡らし、思い悩んでいたことが急にクリアになって、進むべき道がはっきるすることもある。日々、多くの決断を迫られる企業家には、ひとりのリラックスできる時間と場所を確保しておくことも重要なのだ。
精一の場合、「発想の源は自宅のお風呂」だ。ひとり湯船につかりながら、リラックスした自由な発想で新しいサービスのアイデアを思いつくこともある。
「新しいサービスのヒントは、意外と身近な普段の生活の中に転がっていたりするもの。タクシー業界とは違うビジネスモデルや普段の生活の中で感じる変化などに思いを巡らしているうちに、これはひょっとしたらいけるんじゃないかとか、このサービスはタクシーに応用できると考えたりしています」。
過去には、そうした小さな発想の種が、やがて一つのサービスとして実を結んだこともある。常に情報にアンテナを張り、忙しいデイリーワークの合間に、息の抜けるちょっとしたアクセントを入れる。そうしたライフスタイルが、現代のニーズに対応した柔軟な発想で舵を取る企業家・多田精一を支えている。 |