企業は永続と見つけたり 〜情報処理産業の水先案内人〜
7. 創業30周年宣言
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創業30周年で演説する森 |
「This is the company(これぞ会社の中の会社)」。
森が好んで使うこの「the」という定冠詞は、常に最高を求める森の心象をよく表している。それは企業家となった時から私利私欲を持たず、常に1人の人間として理想を掲げ、自らを厳しく律する至上主義で経営に当たってきた証でもある。このことはナビオコンピュータが現在の規模までに成長してきた大きな要因であるかもしれない。
創業30周年を迎えた平成10年。この年にナビオコンピュータは従業員500人の大所帯となっていた。
そして、森は従業員や取引先が見守る30周年記念パーティーで、こう宣言した。
「人類のあるところ神とコンピュータは必ず存在する。よって、わが社の経営には光年の計をもって人材を配置し、ナビオコンピュータもまた未来永劫、存在するように事業を進めていく」。
その「未来永劫」という言葉通り、森は顧客満足をさらに追求するため、「誠実」「堅実」「充実」をモットーとする「三実経営」を新たに掲げた。そして、今後20年間の長期予測をもとにした長期計画を策定。計画は5年ごとに区切られ、それぞれの期間を象徴する「経営のことば」を発表した。それによると、平成10年から15年までの5年間を世紀末の変革期ととらえて、美しい心と精神力の強さで乗り切るため「花ことば経営」とし、平成16年から20年までの5年間は発展の予兆をつかむ意味を込め「きざし経営」と名づけた。また平成21年から25年までは本格的な成長期と予測して「いけいけ経営」、平成26年から30年までは安定・充実期の「みのり経営」とし、創業50周年となる平成30年を「大願成就」の言葉でしめくくった。
そして、この30周年パーティーに発表された数々の計画は、ナビオコンピュータのさらなる飛翔を予感させるものであった。
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